その1:論文は読書感想文ではない

たしかに、文学テキストの解釈は主観的なものです。しかしレポートで要求されているのは、たんに「私は○○だと思った」「○○というところに感動した」というような「読書感想文」ではありません。

レポートで要求されているのは、自分なりの「読み」を提出し、それを論証することです。つまり、「私は○○だと思った」のなら、「なぜ」そう思ったのか、自分の心理を分析し、また作品の中にその根拠を求めることが必要だし、「○○というところに感動した」のなら、なぜその作品はそこで感動させるようにできているのか、作品の成り立ちや構造、あるいは作者の経験がどのように反映しているのか、といったことを調べて報告する必要があります。

たんに主観でしかない自分の主張を他人に論理的に納得させること、それが論証という手続きです。そしてこの論証の手続きを踏めば、あなたのその「読み」はたんなる自分の思いを勝手につづった「読書感想文」ではなく、多少なりとも「公共性」を備えた「論文」に近いものとなります。