古今亭菊之丞独演会@三鷹芸術文化センター 星のホール

「鰻の幇間」。仲入り後「井戸の茶碗」。素晴らしい。三、四年ほど前に高座で見たときは年に似合わぬ老成がイヤミに見え、その後音源で時折聞いてもその印象は変わらなかったが、「粋でいなせで」という型を器用に演じる才人の域を一歩も二歩も出て本物の貫禄が出てきた。

この人は顔と名前で損している。もう少し顔が不細工で、もっと老けて見えたら、そして菊之丞なんていう役者みたいな名前でなければ、もっとその実力は評価されているはずだ。たっぷり泣かせる人情噺を持ってくるのではなく、一八の口調だけで小気味よく飛ばす「鰻の幇間」のあとに「井戸の茶碗」。人情噺にせずに表面上は笑わせておいて、しかし登場人物たちの気持ちのいい性格がしっかり伝わってくる心憎い演出。終演後目元がじんわりくる。この人に四代目志ん朝を襲ってもらいたいと思った。


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