合衆国における「労働」の文化表象:2015年度第1回研究会のお知らせ

成蹊大学アジア太平洋研究センター・共同研究プロジェクト:合衆国における『労働』の文化表象(プロジェクトリーダー:下河辺美知子、研究分担者:日比野啓・権田健二・岡田泰平)では、講師に若林麻希子(青山学院大学)氏を迎え、2015年度第1回研究会を以下の要領で実施します。

日時:2015年7月3日(金)15:30-17:30

場所:成蹊大学10号館2階・第二中会議室

1830年代アメリカと家事労働――Catharine Maria Sedgwickを中心に

Catharine Maria Sedgwickは、作家として1830年代にひとつの転機を迎えていたと言ってよい。
A New-England Tale(1822)やHope Leslie(1827)など、セジウィックという作家の存在を現代に改めて認識させることになったNew Englandを舞台とする歴史小説から距離を置き、セジウィックは、New Yorkを舞台とする風俗小説へと作風を一新させるのだ。Clarence(1830)、Home(1835)、The Poor Rich Man, and the Rich Poor Man(1836)、そしてLive and Let Live(1837)といった作品は、経済的発展の影で貧困問題が深刻化する1830年代のNew Yorkに身を置いたセジウィックが、市場経済を基盤とする社会にあって、家庭とはいかなる役割を担うべきなのか、という文化的問いかけに取り組んだ、その成果と考えることが出来る。セジウィックの家庭は、生産/再生産、物質主義/精神主義といったseparate spheres理論に準える二項対立概念によって定義化されるものに完全に回収されるのではなく、むしろ、個人が家事労働を介して「有用性(utility)」に還元されるシステムとして機能しているようにも見える。本発表では、セジウィックが描き出す家事労働のヴィジョンを踏まえ、1830年代アメリカにおける家事労働の文化的意義に考察を加えてみたい。

若林麻希子 青山学院大学文学部英米文学科教授。専門は、18・19世紀アメリカ小説。主な論文として、「アメリカ文学と書簡体―クレヴクール『アメリカ農夫の手紙』」『書簡を読む』(春風社、2009年)、「失われた歴史のテロル」『アメリカン・テロル』(彩流社、2009年)など、項目執筆として『アメリカ文学入門』(三修社、2013年)など。

どなたにも無料でご参加いただけますが、会場整理の都合上、開催日前日までにhibinoあっとまーくfh.seikei.ac.jpにお名前と(あれば)ご所属をお書きのうえ、お越しの旨をお知らせ下さい。

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