合衆国における「労働」の文化表象:2014年度第1回研究会のお知らせ

成蹊大学アジア太平洋研究センター・共同研究プロジェクト:合衆国における『労働』の文化表象(プロジェクトリーダー:下河辺美知子、研究分担者:日比野啓・権田健二・岡田泰平)では、講師に舌津智之(立教大学)氏を迎え、2014年度第1回研究会を以下の要領で実施します。

日時:2014年7月26日(土)16:00-18:00

場所:成蹊大学10号館2階・第二中会議室(変更の可能性あり)

『ダンボ』と労働――ディズニーの人種/階級表象

映画『ダンボ』が公開される数ヶ月前の1941年5月から6月にかけ、ディズニー・スタジオ内の労働組合が、全従業員の少なくとも3分の1が参加したと言われる大規模なストライキを行った。経営者のディズニーはむろん、組合の指導者たちを共産主義者だと批判し、映画『ダンボ』はその間、ディズニーを支持するクリエイターたちによって仕上げられた。こうした時代背景は、作品中にいかなる刻印を残しているのだろうか。興味深いことに、『ダンボ』は、その舞台となるサーカスのいとなみを、労働として描いている。テント張りの重労働を担うのは黒人の雑役夫たちであるし、雇われている道化たちは、団長に賃上げを要求しようと楽屋で話しあう。ストライキで苦汁をなめたディズニーは、こうした労働者たちを皮肉に描き出す一方で、同じく一労働者として弱い立場に置かれた子象の苦悩にも寄り添っている。大恐慌の余波に揺れながら、愛国的な戦争へと突入した時代を映す『ダンボ』という作品が、人種的/階級的な弱者をすぐれて両義的なかたちで浮き彫りにする、その表象戦略を歴史的かつ審美的に検証したい。

舌津智之 立教大学文学部英米文学専修教授。専門は、モダニズム文学、日米大衆文化、ジェンダー批評。著書に『抒情するアメリカ――モダニズム文学の明滅』(研究社 2009年)、『どうにもとまらない歌謡曲――七〇年代のジェンダー』(晶文社 2002年)、共編著書に『抵抗することば――暴力と文学的想像力』(南雲堂 2014年)など。

どなたにも無料でご参加いただけますが、会場整理の都合上、開催日前日までにhibinoあっとまーくfh.seikei.ac.jpにお名前と(あれば)ご所属をお書きのうえ、お越しの旨をお知らせ下さい。